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1-5. 住宅建設の工事請負契約とは?(ハウスメーカー・工務店と契約する場合)

〈ポイント1〉依頼先のタイプや特徴を理解しましょう

事業者を選ぶ前に、インターネット、住宅情報誌、住宅展示場等で情報収集し、家族で話し合いを行い、建てたい家のイメージを固めることが重要です。

建てたい家に関するイメージが固まったら、イメージに近い住宅を建てた事業者に関する情報を収集し、依頼先の候補を絞り込みます。

依頼先により、得意とする工法、デザイン、工事費、設計や工事に必要な期間等が異なりますので、何を重視するか優先順位を決め、自分にふさわしい事業者を探すことが重要です。

家づくりの依頼先を大きく分けると次の3つになります。

■ハウスメーカー

ハウスメーカーとは、広範囲な営業ネットワークを持つ大手の住宅建築会社のことをいいます。

ハウスメーカーの特徴は、住宅を商品化し、部材の生産、設計、施工、アフターサービスまで幅広い業務を行っていることです。 全国の住宅展示場でモデルハウスを見学できるのもメリットです。

■工務店

工務店とは、営業網を比較的狭い地域に限定し、地元に密着した建設会社をいいます。

依頼者の好みや条件に合わせて設計し、施工も自社で行います。

工務店のメリットは、地元密着型のため、何か困ったことがあった場合にも、素早い対応が期待できることです。また、入居後のメンテナンスや増改築についても気軽に相談できます。

ハウスメーカー、工務店に依頼する場合は、設計から工事までを一括して依頼することになります。ある程度お任せで、短期間に家づくりをしたい方にお勧めです。

○メリット
  • 標準的な設計(プラン)が決められている場合が多く、バランスの良い住宅を建てられます。
  • 標準的な設計の場合、設計期間が短くてすみます。
△デメリット
  • 施工に有利な設計に誘導されてしまう場合があります。
  • 工事監理が適切に行われるか不安な点があります。
■設計事務所

設計事務所とは、施工会社等に属さず、独立して設計、工事監理を専門に行っている組織です。

設計の専門知識を生かして、きめ細かい設計を行うのが特徴です。

施工は別の会社(工務店等)に依頼する必要がありますが、専門家の立場で施工者の工事内容をチェックしてくれるので、施工者と対等なレベルで交渉できます。

設計事務所に依頼する場合は、施工は別の施工業者に依頼することになります。

建築したい住宅のイメージをしっかり持っている方、ご自身で納得できる家づくりをしたい方などにお勧めです。

○メリット
  • 建築主の事情や要望に合わせたきめ細やかな設計が期待できます。
  • 工事費の調整や施工業者選定の際の助言も期待できます。
  • 建築主の代行者という立場で工事監理を行うので、施工の内容をチェックできます。
△デメリット
  • 工事請負契約とは別に、設計・工事監理委託契約が必要になります。
  • 設計を始めてから工事が終了するまでの期間が多少長くなる場合があります。

〈ポイント2〉ハウスメーカー、工務店の選び方

事業者選びのチェックポイントは、以下のとおりです。
1建設業法に基づく許可業者を選ぶこと。
請負代金が1,500万円以上または述べ床面積150m²以上の木造住宅の工事は、建設業法に基づく許可を受けた事業者でなければなりません。
建設業の許可を受けているかどうかは都道府県や市町村の住宅課などで調べることができます。
2施工業者の特性を知ること。
単に施工業者の規模や知名度で選ぶのは得策ではありません。
どの様な分野が得意か、住宅の施工実績がどのくらいあるか、施工した住宅の平均的な工事単価、規模はどのくらいか、等を確認した上で選ぶことをお勧めします。
3信頼できる施工業者を選ぶこと。
営業、施工、メンテナンス、保証の体制がしっかりしていることが信頼性につながります。
担当者の人数、経験年数、資格はどうか、完成後のメンテナンス、保証の内容はどうなっているか確認しましょう。瑕疵保証制度、完成保証制度を利用していれば、なお安心です。
4人の評判をきくこと。
その施工業者が施工した住宅を何軒か見てまわり、建主や近所の評判をきいて、判断の材料とすることもよいでしょう。
5常識以上の好条件はさけること。
余りにもうまい条件を示して、人の気をひくような施工業者は避けた方がよいでしょう。あとで思わぬ落とし穴に気づく場合があります。

ハウスメーカーや工務店に依頼する場合は、何社か候補を絞って希望条件を伝え、簡単な図面作成と概算見積を依頼します。

見積書を受け取ったら、項目ごとに具体的な内訳が記載されているかどうかを確認します。

「坪単価○○万円」という記載では、単価の根拠となる工事や材料の中身が分からないので、金額が妥当かどうかチェックできません。 また、「○○工事一式」という記載については、その中に何が含まれているのか確認しましょう。

受け取った図面と見積書を比較検討して1社を選び、その会社と工事請負契約を結ぶのが一般的な流れです。

〈ポイント3〉工事請負契約時のチェックポイント

住宅を建設する場合には、施工業者と工事請負契約を結びます。

「請負契約」とは、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払う約束をするものです。

建設業法第19条では、契約事項を書面に記載し、署名または記名押印してお互いに取り交わすよう義務づけています。 

契約書類は2部用意し、双方が署名押印し、お互いに保管しておきます。

契約書に署名押印する前に、書類の内容について、納得のいくまで請負業者から説明を受けましょう。


特に、次の点について確認しましょう。
  1. 必要書類が一式そろっているか?
  2. 図面・仕様書の内容や工事費は今まで説明を受けた内容どおりか?
  3. 設備、門・塀・植栽、ガス・水道の負担金等は契約金額に含まれているか?
  4. 瑕疵担保期間、瑕疵保証制度、アフターサービスの内容はどうなっているか?

〈ポイント4〉工事請負契約に必要な書類

工事請負契約書

一般的に、以下の内容を記載しています。
  1. 工事内容(内容をはっきりさせるために、設計図書を添付します)
  2. 着工時期と完成時期
  3. 検査時期
  4. 引渡し時期
  5. 請負代金の額
  6. 請負代金の支払方法
  7. 履行延滞違約金

工事請負契約約款

工事請負契約書を補足するために、工事中に起こりうる様々なトラブルの解決方法等を詳細に文書にしたもので、次のような事項を定めています。

  1. 工期の変更や請負代金の変更、損害の負担やその算出方法
  2. 天災その他不可抗力による工期の変更、損害の負担とその算出方法
  3. 瑕疵担保(基本構造部分及びその他の部分の保証期間)
  4. 紛争の解決方法

設計図面

敷地の場所、建物の位置、各部の寸法、材料等を示すため、次のような設計図面を添付します。

図面の種類 内容
付近見取図 敷地の位置、方位
配置図 敷地の範囲、建物の位置、植栽、門・塀、物置や車庫の位置
平面図 各階の間取り、寸法、壁や窓、ドアの位置
断面図 床、天井、窓の高さ
立面図 建物の高さ、屋根の形、窓の位置
矩計図(かなばかりず) 断面の詳細(基礎の高さ、土台や柱の太さ・材質、断熱材の種類・厚さ等)
面積表 土地、建物の面積
仕上表 建物内部と外部の仕上げの種類

仕様書

仕様書とは、設計図面だけでは書き表せない事項を文章としてまとめたものです。

質の高い工事を行うために、また正確な工事費の積算のために、仕様書は欠かせません。

工事代金内訳書

工事請負契約を締結する際には、工事金額を算出した根拠として「工事代金内訳書」を添付します。

工事代金内訳書の合計金額が契約書の金額と一致しているか、内訳の項目が図面、仕様書に記載されている内容と食い違っていないか等の確認を行いましょう。

契約した工事内容を変更する際に、工事代金内訳書に細かい内訳が記載されていると、変更工事に伴う工事費の増減についてのトラブル防止に役立ちます。

〈ポイント5〉瑕疵担保、アフターサービス

瑕疵担保責任

瑕疵担保責任とは、民法で定められた責任で、一般的に目的物に隠れた瑕疵があった場合に請負業者が注文者に対して負わなければならない責任のことを言います。

「隠れた」とは、通常、人が注意を払っても発見できないことをいい、「瑕疵」は通常有すべき品質・性能を有しないことをいいます。

設計や施工上の不都合により、屋根や外壁からの雨漏り、台所の排水不良や水漏れがあった場合、請負業者の故意や過失がなくとも、注文者は請負業者に次のような責任を追及することができます。

  1. 相当な期間を設けた上で、瑕疵の修補を請求する
  2. 瑕疵の修補に代えて損害賠償を請求する
  3. 瑕疵の修補請求とともに損害賠償を請求する

こうした請負者の責任を瑕疵担保責任と呼んでいます。

瑕疵担保責任の期間は、民法においては、引渡しの日から、木造の建物は5年、コンクリート造、鉄骨造の建物は10年とされていますが、民法上では瑕疵担保期間の短縮が可能なため、木造の建物は1年、コンクリート造、鉄骨造の建物は2年(ただし瑕疵が請負人の故意または重大な過失によって生じたものであるときはそれぞれ5年、10年間)と設定されていることが多くあるようです。この期間内に注文者から請求がないと瑕疵担保責任は消滅します。

なお、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」では、基本構造部分に関する瑕疵担保責任について、10年間の瑕疵担保責任を負うことを義務付けています。

瑕疵担保期間は民法上は短縮可能なため、住宅取得者にとっては不利な仕組みとならないよう、特に重要な部分で外部からは瑕疵の判断が難しい基本構造部分(構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分)についての瑕疵担保期間は完成引渡し後10年間とし、これよりも住宅取得者に不利となる特約は無効としています。

住宅瑕疵担保履行法

平成19年に制定された特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)により、新築住宅を引き渡す建設業者等に「保険制度※1」または「供託制度※2」の活用が義務づけられることとなりました。この法律は、平成21年10月1日以降に引き渡しとなる住宅から適用されます。

 また、建設業法上も、住宅生産者は契約締結に際し瑕疵担保責任の履行に関して加入している保険等の内容を書面に記すことが義務づけられています。

※1保険制度:新築住宅に瑕疵があった場合に、補修等を行った事業者に保険金が支払われる制度です。保険への加入にあたっては、住宅の工事中に検査が行われます。
※2供託制度:補修等を行う責任を有する事業者が、倒産していて責任を果たすことができない場合に備えて、事業者が法律で定められた額の保証金をあらかじめ法務局などの供託所に預けておく制度です。

アフターサービス

瑕疵担保責任とは別に、注文主へのサービスとして、請負業者が不良箇所を無償で直すことをアフターサービスといいます。アフターサービスは当事者間の任意の契約ですので、万一、請負業者が倒産した場合、保証はなくなります。

1. 住宅・土地取得のための契約

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