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公開日:2024年7月1日

住宅金融支援機構理事長 毛利 信二

はじめに

 平素は格別のご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。

 はじめに、元日の能登半島地震で被災された皆さまに心からお見舞いを申し上げます。

 大規模な土砂崩れや津波による道路、水道等の社会インフラへの被害、広範囲の液状化等で、今なお、多くの方々が厳しい避難生活を余儀なくされています。復旧復興への道程は決して平坦ではありませんが、一刻も早い被災者の住まいの再建に向け、これまでに蓄積された人財とノウハウを活用し、総力を挙げて、支援活動を続けてまいります。また、年々激甚化・頻発化する自然災害への事前防災・減災に資する適切な立地と耐震性等の向上を図る最適な住宅ローンを愚直に探求し、提供し続けることで、住まいのレジリエンスを高めてまいります。

 世界情勢に目を向けますと、新型コロナウイルスのパンデミックを経て、デジタルトランスフォーメーションやグリーン化といった大きな潮流が、一層加速しています。また、地政学上の緊張の高まりなどから、市場が動揺し金融の安定が脅かされるリスクが高まっています。一方、日本経済は、今春、大きな転換点を迎えました。日本銀行が3月、マイナス金利を解除して17年ぶりの利上げを決定し、金利のある世界に踏み出しました。住宅ローン市場も変化の兆しが表れ始めています。今後、返済額増大など金利上昇の影響が懸念されるなか、長期固定金利ローンの【フラット35】がいつの時代にも選ばれ続ける住宅ローンであるよう、機構としても最大限尽力してまいります。

 少子長寿化が進む地域社会に、空き家の増大は深刻な影響をもたらしています。機構は、令和5年度から【フラット35】地域連携型(空き家対策)の金利引下げ措置を拡充しました。また、昨年改正された空き家等対策の推進に関する特別措置法により、新たに空き家の利活用情報の提供を機構ホームページで始めました。高経年マンションストックへの対応も含め、住宅の適切な維持管理も積極的に推進することで、我が国の住宅ストックの資産価値の適切な維持と流通拡大に貢献しています。

 さらに、少子化の進行は極めて深刻で、子育て世帯への様々な支援の充実は国地方を通じて喫緊の課題です。機構は、本年2月からこどもの人数に応じて金利引下幅を拡大し、最大1%引下げを可能とする【フラット35】子育てプラスを投入しました。
 引き続き、少子長寿化等の社会課題の解決に相応しい住宅ローンのあり方を不断に探求し、お客さまの多様なニーズに積極的にお応えしていきます。

 これら【フラット35】の事業を安定かつ継続実施するための資金は、主に機構MBS(Mortgage-backed Securities)と呼ばれている資産担保証券と機構SB(Straight Bond)及び機構SBに政府保証を付した政府保証付き機構GB(グリーンボンド)の発行により調達を行い、令和5年度のそれぞれの債券の発行額は、機構MBSは7,662億円、機構SBは830億円、政府保証付きGBは2,300億円、これら債券の年度発行総額は1兆792億円に達しています。また、MBS国内最大の発行体として、これまでの発行累計額は令和6年3月末現在、35兆円を超えました。

 これもひとえに、市場関係者の皆さまの機構及び機構業務へのご信認の賜であり、心から感謝申し上げます。

 環境への取組についても触れておきたいと思います。世界的に取組が加速している気候変動問題への対応、そして2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組は待ったなしであり、とりわけ住宅分野の取組の加速が鍵となります。こうしたなか、機構は、TCFD提言に賛同するとともに、令和5年度から改正建築物省エネ法の本格施行に2年先駆けて【フラット35】をご利用いただく全ての新築住宅に省エネ基準の適合を融資条件としました。また、機構GBは、令和5年3月にセカンドパーティーオピニオンを再取得し、環境省グリーンボンドガイドライン及び国際資本市場協会(ICMA)のグリーンボンド原則の両方に適合する債券としての認証を受けるとともに、令和5年度からは、機構GBの対象となる【フラット35】SのCO2排出量削減効果の定量開示を始めました。引き続き、グリーンボンドの国内最大級の発行体として、市場関係者の皆さまのニーズと真摯に向き合い、我が国のグリーンボンド市場の発展をリードしてまいります。

 機構は、四年ごとの中期目標・中期計画に沿って業務を行い、着実な目標達成に努めてまいりました。今年度は、第4期中期目標期間の最終年度となり、第4期の集大成、第5期への飛躍の足がかりとなる大切な一年として、私自身もまた新たな気持ちです。

 昔から、「家斉いて后国治まる」というように、住まいのしあわせは、真の豊かさを実感する原動力の一つでしょう。コロナ災禍を乗り越えても人口減少・高齢化に歯止めがかからず、災害の懸念や金利・物価上昇が収まらない中でそれを実感することは決して容易ではありませんが、困難を乗り越え、私たちのパーパスである全てのお客さまの「住まいのしあわせを、ともにつくる」ために、変化を止めず、自ら進化を遂げ、住まいのプロフェッショナル集団としての責任を果たすべく、人財を育て、最大限生かす経営に取り組んでまいります。
 市場関係者の皆さまにおかれましては、今後とも機構及び機構業務への一層のご理解、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

令和6年7月
住宅金融支援機構 理事長

理事長サイン

2024年度 投資家向け説明資料

          
タイトル ファイル形式
Ⅰ . 住宅金融支援機構の概要と役割
Ⅱ . 【フラット35】及びMBS・SB・政府保証債の発行実績
Ⅲ . 2024年度における住宅金融支援機構の取組
Ⅳ . 2024年度債券発行計画等
Ⅴ . 2023事業年度決算の概要等
PDF形式PDFファイル[3.3MB]
PDF形式(補足説明付き)PDFファイル[5.2MB]

過去の説明資料

過去の説明資料はこちらからご覧ください。
                          
掲載日 タイトル ファイル形式
2023年7月3日
Ⅰ . 住宅金融支援機構の概要と役割
Ⅱ . 【フラット35】及びMBS・SB・政府保証債の発行実績
Ⅲ . 2023年度における住宅金融支援機構の取組
Ⅳ . 2023年度債券発行計画等
Ⅴ . 2022事業年度決算の概要等
PDF形式PDFファイル[6.7MB]
PDF形式(補足説明付き)PDFファイル[33.8MB]
2022年7月8日
Ⅰ . 住宅金融支援機構の概要と役割
Ⅱ . 【フラット35】及びMBS・SB・政府保証債の発行実績
Ⅲ . 2022年度における住宅金融支援機構の取組
Ⅳ . 2022年度債券発行計画等
Ⅴ . 2021事業年度決算の概要等
PDF形式PDFファイル[8.5MB]
PDF形式(補足説明付き)PDFファイル[32.9MB]
2021年7月1日
Ⅰ . 住宅金融支援機構の概要と役割
Ⅱ . 【フラット35】及びMBS・SB・政府保証債の発行実績
Ⅲ . 2021年度における住宅金融支援機構の取組
Ⅳ . 2021年度債券発行計画等
Ⅴ . 2020事業年度決算の概要等
PDF形式PDFファイル[4.5MB]
PDF形式(補足説明付き)PDFファイル[5.8MB]
2020年8月3日
Ⅰ . 住宅金融支援機構の概要と役割
Ⅱ . 【フラット35】及びMBS・SBの発行実績
Ⅲ . 2020年度における住宅金融支援機構の取組
Ⅳ . 2019年度決算の概要等
Ⅴ . 2020年度債券発行計画等
PDF形式PDFファイル[4.6MB]
PDF形式(補足説明付き)PDFファイル[6.4MB]
2019年7月3日
(東京会場)
Ⅰ . はじめに
Ⅱ . 2019年度における住宅金融支援機構の取組
Ⅲ . 2018年度決算の概要等
Ⅳ . 2019年度債券発行計画等
PDF形式PDFファイル[3.6MB]
2018年7月4日
(東京会場)
Ⅰ . はじめに
Ⅱ . 2018年度における住宅金融支援機構の取組
Ⅲ . 2017年度決算の概要等
Ⅳ . 2018年度債券発行計画等
PDF形式PDFファイル[4.5MB]
2017年7月5日
(東京会場)
I . これまでの住宅金融支援機構の取組
II . 第三期中期計画における住宅金融支援機構の取組
III . 2016年度決算の概要等
IV . 2017年度債券発行計画
PDF形式PDFファイル[2.5MB]
2016年7月6日
(東京会場)
I . 住宅金融支援機構の取組
II . 平成27年度決算の概要
III . 第二期中期計画の取組状況等
IV . 平成28年度事業計画等
PDF形式PDFファイル[1.9MB]
2015年7月10日
(東京会場)
I . 住宅金融支援機構の取組
II . 平成26年度決算の概要
III . 第二期中期計画の取組状況等
IV . 平成27年度事業計画等
PDF形式PDFファイル[4.3MB]
2014年7月10日
(東京会場)
I . 平成25年度事業実績
II . 平成25年度決算
III . 平成26年度事業計画
PDF形式PDFファイル[4.8MB]
2013年8月7日
(東京会場)
I . 平成24年度事業実績
II . 平成24年度決算
III . 平成25年度事業計画
PDF形式PDFファイル[2.7MB]
2012年8月3日
(東京会場)
I . 第二期中期目標・中期計画の概要
II . 平成23年度事業実績
III . 平成23年度決算
IV . 平成24年度事業計画
PDF形式PDFファイル[2.9MB]
2011年8月5日
(東京会場)
I . 平成22年度事業実績
II . 平成22年度決算
III . 平成23年度事業計画
IV . 東日本大震災への対応
PDF形式PDFファイル[1.3MB]
2010年8月6日
(東京会場)
I . 平成21年度事業実績
II . 平成21年度決算
III . 平成22年度事業計画
PDF形式PDFファイル[717KB]
[国土交通省資料]長期固定ローンの供給支援のあり方に関する検討会について PDF形式PDFファイル[180KB]
2009年8月7日
(東京会場)
I . 平成20年度事業実績
II . 平成20年度決算
III . 平成21年度事業計画
PDF形式PDFファイル[703KB]
[国土交通省資料]住宅金融のあり方に係る検討会について PDF形式PDFファイル[200KB]
2008年8月6日
(東京会場)
I . 平成19年度事業実績
II . 平成19年度決算
III . 平成20年度の債券発行計画
PDF形式PDFファイル[774KB] ※ 当日配布した資料に一部誤りがありましたので(P28)、これを訂正しております。
【別冊】 独立行政法人整理合理化計画の進捗状況 PDF形式PDFファイル[314KB]
2007年9月5日
(東京会場)
I . 開始時貸借対照表と中期計画の見通し PDF形式PDFファイル[619KB]
II . 【別冊】平成18年度財務諸表 PDF形式PDFファイル[578KB]
III . 平成20年概算要求および平成19年度後半における制度変更について PDF形式PDFファイル[419KB]
IV . 住宅金融公庫は「独立行政法人住宅金融支援機構」に生まれ変わりました。 PDF形式PDFファイル[717KB]
2006年3月6日
(東京会場)
I . 独立行政法人住宅金融支援機構の概要について
II . 平成19年度の一般担保住宅金融支援機構債券発行計画について
PDF形式PDFファイル[327KB]
2005年8月8日
(東京会場)
2005年8月9日
(大阪会場)
I . 住宅金融公庫の概要と業務について
II . 平成17年度決算について
III . 一般担保住宅金融公庫債券発行の背景と平成18年度債券発行方針について
PDF形式PDFファイル[555KB]
【別冊】平成17年度財務諸表 PDF形式PDFファイル[112KB]
2004年7月7日
(東京会場、名古屋会場)
2004年7月8日
(大阪会場)
公庫MBSの今後の発行について PDF形式PDFファイル[232KB]

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