私たちについて
TCFD提言への対応
気候変動対策に関する情報開示の充実
加えて、機構では、金融安定理事会(FSB)が設立した気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に対し令和4 年6月に賛同しました。
今後はTCFD の提言を踏まえた情報開示を適切に行うとともに、開示基準の更新等に関する国際的な動向を踏まえた日本における対応を注視しながら、気候変動対策の取組の進展を図ってまいります。
項目 | 内容 |
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ガバナンス | |
戦略 | |
リスク管理 | |
指標・目標 |
ガバナンス
気候変動によるリスクと機会、それらに対応するための方針等について、個別のリスク管理委員会および役員会において審議等を行い、モニタリングしています。
戦略
【フラット35】の省エネ基準要件化等
2050年カーボンニュートラルの実現に向けた国の取組として、令和7年度から全ての新築住宅に省エネ基準適合が義務付けられています。【フラット35】では、国の取組に先駆けて、2年前倒しの令和5年4月以降の設計検査申請分から、省エネ技術基準への適合を利用要件としました。また、【フラット35】Sの金利引下げ制度を通じて、省エネルギー性に優れた住宅の普及に取り組むことで、CO2排出量削減に貢献しています。
グリーンリフォームローン
断熱改修工事や太陽光発電設備設置工事等、断熱性・省エネルギー性を高めるリフォーム工事を行う場合に利用できる個人向け住宅の省エネリフォーム専用ローン【グリーンリフォームローン】により、新築住宅だけでなく、既存住宅についても、建築物の省エネルギー性向上による2050年カーボンニュートラルの実現のための取組を推進しています。子育て世帯向け省エネ賃貸住宅建設融資等
機構は、政策上重要で民間金融機関では対応困難な分野への融資の1つとして、子育て世帯に必要な住戸規模と優れた省エネルギー性能を有する賃貸住宅の供給を促進するための建設資金等の融資を行っています。また、まちづくり融資(長期事業資金)およびサービス付き高齢者向け賃貸住宅建設融資について、長期優良住宅または機構の定めるZEH基準を満たす住宅を対象として金利を引き下げることにより、賃貸住宅等の省エネルギー性向上に貢献しています。
グリーンボンドの発行
省エネルギー性に優れた住宅を対象とした住宅ローン債権の買取代金を資金使途とするグリーンボンドを発行しています。また、令和3年度に発行した国内初となる政府保証付きグリーンボンドについても、令和6年度も引き続き発行しています。令和6年度に新規で発行したグリーンボンドおよび政府保証付きグリーンボンドによるCO2 削減効果は、年間7,147トンとなりました。
(注)「指標・目標」の項目末尾に示されるCO2 排出量等を用いて、次のとおり試算しています。
発行額見合いの融資実行件数×「現在の平均的な省エネ性能水準の住宅」と比較したCO2 削減量
グリーン住宅金融に関する国際的な普及
海外社会資本事業への我が国事業者の参入の促進に関する法律(平成30年法律第40号)に基づき、機構では、省エネルギー性に優れた住宅の普及やグリーンボンドの発行等に関する知見を活かし、海外の団体に対する研修を行うことによる人材育成支援等に取り組んでいます。資金運用におけるESG投資
資金運用にあたって、信用力等の安全性を踏まえた上でESG債(環境や社会問題に対応するプロジェクト等のための資金調達手段として発行される債券)を優先的に購入できる運用枠を設けています。これにより、グリーンボンドの発行による資金調達だけでなく、資金運用においても気候変動対応を意識した取組を進めています。
令和6年度は、石川県、京都市等の発行したグリーンボンド(計60億円/26先)を購入しました。
物理的リスクの計測
【フラット35】等の担保物件が、気候変動による洪水の増加により、被災し毀損した場合に機構が被る損失額を計測した結果、機構の財務への影響は限定的であると考えています。移行リスクの計測
【フラット35】等の対象としている住宅について、二酸化炭素排出価格の引上げ(炭素税の導入等)やZEH基準の水準の省エネ性能の確保義務化等による建築・購入価格等の変化が想定されますが、機構の財務への影響は限定的であると考えています。リスク管理
指標・目標
同計画では、公用車への電動車導入、LED照明の導入、再生可能エネルギー電力の調達等に取り組むことにより、令和12(2030)年度までに温室効果ガスの総排出量を平成25(2013)年度比で50%以上削減することを目標として掲げています。
令和6年度は、本店ビルの電力について再生可能エネルギー電力を調達したこと等から、温室効果ガスの総排出量を平成25(2013)年度比で-74.6%まで削減しています。
今後も前記目標を意識し、毎年度の温室効果ガスの排出量についてモニタリングをしていきます。また、【フラット35】Sを通じた省エネ住宅の普及促進によるCO2排出量の削減効果についても、継続的にモニタリングをしていきます。

(注)上記グラフは、環境省と経済産業省が策定した「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」に基づき、住宅金融支援機構において使用したエネルギーの使用量からCO2排出量を算出したもの

※1 令和6年度における新築住宅に係る【フラット35】および【フラット35】S各プランの申請件数をもとに算出。【フラット35】および【フラット35】S各プランのCO2排出量等の詳細については、末尾の表をご覧ください。
※2 令和6年度と令和10年度の【フラット35】申請件数を同一と仮定。【フラット35】の申請件数に占めるZEH等水準住宅の割合が、国の「エネルギー基本計画」において示されている適合率の目標を、第五期末時点において一定に上回るものとして試算(国の適合率の進捗によって数値が上下する可能性があります。)。

※1 建築物省エネ法に基づき積算した戸建住宅(地域区分6(東京23区等)、住宅規模120m2、暖房方式:居室のみ 等)の一次エネルギー消費量からCO2 排出量を算出したもの
※2 建築物省エネ法に基づき積算した共同住宅(地域区分6(東京23区等)、住宅規模70m2、暖房方式:居室のみ 等)の一次エネルギー消費量からCO2 排出量を算出したもの
※3 新築マンションに関しては、『ZEH-M』、Nearly ZEH-M、ZEH-M Ready、ZEH-M Orientedとなります。